【サッカー】ブラジル全国選手権2021が終了。アトレチコ・ミネイロが優勝し、州選手権、コパドブラジルと合わせ3冠を飾る!
世界中のサッカーリーグで春秋制を採用している国は珍しい。
ヨーロッパを中心に秋春制が世界でも中心だが、日本のJリーグ同様、ブラジルは春秋制を採っている。
そんなブラジルリーグであるブラジル全国選手権が12月9日(木)の最終節を持って全日程を終了した。
通常、ブラジル全国選手権の最終節は、12月上旬~中旬の日曜日の午後4時キックオフで行われていたが、今シーズンは、木曜日の午後9時半キックオフで行われた。
優勝は、アトレチコ・ミネイロ。ミナスジェライス州の州都ベロオリゾンチをホームに構えるチームだ。
12月2日(木)に、2試合を残した時点で既に優勝を決めていた。2位のフラメンゴに勝ち点13差をつけた圧勝だった。
優勝に貢献した最大の功労者は、かつてJリーグでも活躍したフッキだ。19ゴールを挙げ、得点王にも輝いている。
昨シーズンまで5季に渡り、中国スーパーリーグの上海上港で活躍していた。
今季、ブラジルリーグに復帰したばかりでの大活躍ぶりだった。
世界的なプレーヤーとしては、元スペイン代表のジエゴ・コスタもプレーしている。
今年8月に、シーズン途中から加入。スペイン代表だが、生まれはブラジルの北東部セルジッピ州のラガルト。ブラジル国内でデビューすることなくヨーロッパでプロデビュー。今季、初めて母国でのプレーとなった。
アトレチコ・ミネイロとしては、2013年のリベルタドーレス杯優勝以来のビッグタイトルになる。おまけに、今季は、ミナスジェライス州選手権と、先日決勝が行われた国内のカップ戦であるコパドブラジルも制覇しており、3冠を達成している。
2014年のブラジルW杯で地元ブラジルがドイツ相手に1-7という衝撃的な敗北を喫したミネイラォンをホームスタジアムにしているが、同じくミネイラォンをホームにしているライバルチーム、クルゼイロとは対照的だ。
2019年に2部に降格したクルゼイロは、リベルタドーレス杯を2度も制している名門クラブだが、今季も2部で14位と振るわず、来季も2部リーグで戦うことになる。
2位フラメンゴ、3位パウメイラスは順当な結果といえるだろう。
この2チームは、南米一を決めるリベルタドーレス杯の決勝で対戦したことも記憶に新しい。
4位はフォルタレーザだ。これはかなり意外な感じがする。
フォルタレーザは、北東部セアラ―州の州都フォルタレーザのチームである。
私のブラジル在住時、北東部全域が担当エリアだったこともあり、何度も行っていた街だ。
人口約260万人を抱える大都市である。
しかし、サッカーのレベルは決して高い地域ではなく、フォルタレーザといえば、1部~3部を行き来している印象が強い。
2018年、3部から2部に昇格し、あのサンパウロのレジェンド、ホジェリオ・セニを監督に迎え、2019年にいきなり2部で優勝し1部へ昇格する。
そして、昇格1年目の昨年2020年は降格と同じ勝ち点ながら得失点差で辛くも残留を果たした。しかしながら、今季は4位に入り、リベルタドーレス杯の出場権を得るまでに至ったのだ。
さて、下位に目を向けてみよう。20チーム中4チームが降格することになる。
何と名門グレミオが17位で降格が決まってしまった。
ホナウジーニョ・ガウーショが育ちプレーしたことでも知られるグレミオだが、南部ポルトアレグレの名門チームだ。最近では、ほんの4年前、2017年にリベルタドーレス杯を制しクラブW杯に出場している。
他の降格チームは、18位バイーア、19位スポルチ、20位シャペコエンセの3チームだ。
バイーアはサルヴァドール、スポルチはヘシフェのチーム。いずれも、ブラジル北東部の人気チームだ。北東部に住んでいた身としては、残念な思いが強い。
そして、シャペコエンセは、2016年11月に飛行機事故に遭遇し主力選手の多くを失ったチームである。翌2017年8月にはスルガ銀行カップで浦和レッズと対戦するために来日したこともあるが、残念ながら来季は2部で戦うこととなる。
一方、2部からの昇格チームも決まった。
2部の上位4チームが自動的に1部へ昇格する。
昨季本田圭佑が加入し日本でも注目を浴びたボタフォゴが優勝し真っ先に昇格を決め、2位から4位のゴイアス、コリチーバ、アヴァイーが来季1部で戦うこととなる。
昨年1部から2部へ降格した4チームの内、ボタフォゴ、ゴイアス、コリチーバは、今季2部でトップ3に入り、1年で1部への返り咲きを果たした。
しかしながら、昨季降格した4チームの中でもっとも力があると目されていた、リオの4大チームであるヴァスコダガマは10位と低迷し、来季も2部で戦うことになってしまった。同じくリオの4大チームのボタフォゴとは対照的な結果になってしまった。
リーグ戦であるブラジル全国選手権を終え、コパドブラジルの決勝も終えたブラジルサッカー界は短い休みに入っている。
来季の始動は、1月下旬より各地で始まる各州選手権となる。
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【サッカー】東京五輪 男子サッカー決勝、ブラジルがスペインを倒し2連覇を飾る
東京オリンピックが8月8日(日)に閉幕した。コロナ禍という緊急事態の状況下で行われた大会だったが、何とか大きなトラブルもなく全日程を終了した。
サッカー男子決勝は、閉会式の前日、8月7日(土)20:30から横浜国際競技場で行われた。
ブラジル対スペインという、サッカーファンにとってはとても楽しみな、南米とヨーロッパの強豪同士の対戦カードとなった。
そんな期待に応えた、見応えのある素晴らしい試合になった。
しかし、そんなサッカーファンにとって注目度の高い試合だったが、なんと、日本ではテレビの生中継はされなかった。
オリンピックが、ワールドカップなどほかの大きな大会と決定的に違うことは、テレビ放送がほとんど日本戦しか行われないことだ。
サッカーの大会でいえばワールドカップをはじめ、ユーロ(ヨーロッパ選手権)やコパアメリカ(南米選手権)のような大陸ごとの大会に関しても、グループリーグを含めた全試合を生中継しているのとは、大きく異なる。
決勝トーナメントに入っても、日本戦以外は放映されず、ネット配信で見るしかなかった。
もしかしたら、オリンピックとは、もっとも自国民であることを意識するものかもしれない。それほどに、オリンピック期間中、日本では日本選手、日本チームの応援一色になっていた。
しかし、さすがに人気スポーツである男子サッカーの決勝戦は生放送すると思っていた。
テレビの番組表を見て安心した。NHK-BSで生中継することになっていたからだ。
しかし、その時間にテレビをつけてみると、空手をやっており、テレビに内蔵されている番組表を確認すると、いつの間にかサッカー決勝の文字は消えており、空手に変わっていた。「こんなことってあるんだな」と驚きと同時に失望したが、仕方ないのでネット配信で見ることにした。
そんな決勝戦だが、フル代表の主力6名を連ねたスペインに対し、ブラジルは互角以上に戦えていた。
ポゼッションサッカーのスペインに対し当然ポゼッションでは劣るが、それほどポゼッションされていないという印象だった。それよりも、ブラジルは効果的にボールを奪い、うまく攻撃を組み立て、スペイン以上にチャンスを作っていた。
そんな中、前半37分、ブラジルにPKのチャンスが訪れた。
キッカーは当然、エースのヒシャーリソン(エバートン)だ。
しかし、ヒシャーリソンはこれを外してしまう。
ブラジルは絶好のチャンスを逃してしまった。
グループリーグではゴールを量産していたヒシャーリソンだったが、決勝トーナメントではきついマークもあり、結果を出せていない。ぜひともここで決めて、リズムに乗りたかったことだろう。
そんなPKの失敗もあり、その後少しスペインの時間帯が続いた。スペインに流れが傾くかと思われたが、ブラジルはしっかりと守った。
そんな中、前半終了間際に、ブラジルにゴールが決まったのだ。
前半アディショナルタイム、左サイドのクラウジーニョ(レッドブル・ブラガンチーノ)からのクロスをゴールラインぎりぎりでダニエウ・アウヴェス(サンパウロ)が折り返し、マテウス・クーニャ(ヘルタ・ベルリン)がゴールを決めたのだ。
マテウス・クーニャは準々決勝のエジプト戦に続き、貴重なゴールを決めてくれた。また、キャプテンのダニエウ・アウヴェスは、ここで大仕事をやってのけてくれた。
待望の先制点をブラジルは最高の時間帯に取ることができた。
前半は、ブラジルが1-0でリードして折り返した。
前半の終盤に、ふとテレビをつけてみたら、いつの間にかNHK-BSでサッカーの決勝戦を放送していた。それならテレビで見ようかと思ったが、よく見たら表示されている時間がだいぶ違っている。何と、15分ほど遅れて放送されているのだ。
いくらテレビ中継とはいえ、スポーツ観戦はリアルタイムで見ないと意味がない。なんでこんなことが起きているのかと思ったが、それはNHKの判断なので仕方がない。
NHK-BSは結局最後まで、リアルタイムでの放送にはならなかった。
15分遅れで見ても仕方ないので、ネット配信で見続けることにした。
後半に入り、61分(後半16分)にオヤルサバル(レアルソシエダ)の目の覚めるようなボレーシュートが決まり、1-1の同点になった。
その後は一進一退。ほぼ互角だったが、ブラジルのほうがやや優勢に感じられた。
90分間では勝負がつかず、延長戦に入った。
そして、108分(延長後半3分)にドラマは待っていた。
スペインのコーナーキックのこぼれ球をブラジルの11番、アントニー(アヤックス)が拾い、迷うことなく左前方に絶妙のロングパスを出した。それを、途中出場のマウコン(ゼニト)がうまく受け、ゴールを決めたのだ。
待望のゴールが決まり、ブラジルの選手、関係者はこれ以上ないぐらいの喜びを爆発していた。
残り10分少々あったが、ブラジルは守り一辺倒にはならずチャンスとみたらシュートを狙っていた。
そのまま試合は終わり、ブラジルが2-1で勝ち、前回のリオデジャネイロ大会に続き連覇を決めた。
それにしても、素晴らしい試合だった。まさに、オリンピックの決勝にふさわしい試合だった。
会場となった横浜国際競技場は、2002年にワールドカップのタイトルを取ったところだ。
実に19年の時を経て、ブラジルは同じ場所で歓喜を味わうことができたのだ。
今大会のブラジルの戦いについて、グループリーグは見ることができず、決勝トーナメントの3試合を見た。
その3試合の中で、間違いなくこの決勝戦が一番よかったと思う。
フル代表に選ばれている選手は少ないが、いい選手が多いと思った。
決勝ゴールを決めたマウコン、左サイドで数多くのチャンスをつくり出したアラーナ(アトレチコミネイロ)などもいいと思ったが、圧倒的に印象に残ったのは、11番をつけたアントニー(アヤックス)だ。
右サイドを主戦場にするウイング。ドリブル突破、パス交換と小気味いいリズムでプレーする。ブラジルらしさをとても感じさせるプレースタイルだ。右サイドからのチャンスは必ずといっていいほど、このアントニーが絡んでいた。ヒシャーリソンも同様だが、金色に染めた短い髪はとても似合っていたし目立っていた。最後の最後に、決勝点をアシストする大仕事をやってのけてくれた。
ブラジルの名門、サンパウロから昨年、オランダのアヤックスへ移籍し、初年度から出場回数を多く活躍している。21歳とまだ若く、これからがとても楽しみな選手だ。
この試合を見て、これからのブラジルはとても楽しみだと思った。
ほとんどフル代表といってもよい本気のスペイン相手に互角以上の戦いが出来、勝ち切り、優勝することができた。この試合は、大きな試金石となったことだろう。
コパアメリカでは宿敵アルゼンチンに敗れ惜しくも準優勝に終わったが、総合力で見ると決して負けてはいない。むしろ上だろう。
ワールドカップはもう来年だ。次のワールドカップ カタール大会は、来年11月から12月にかけて行われる予定である。
ワールドカップでは、ヨーロッパの強豪相手にも十分戦えるのではないだろうか。
そんなことを感じさせてくれた、素晴らしいオリンピックの決勝戦だった。
7月17日(土)は清水エスパルスのブラジルデー
もっともブラジルを感じさせるJリーグのチーム、清水エスパルス。
クラブ創設以来、初代監督にブラジルの名将、エメエルソン・レオンを招聘するなど、多くのブラジル人選手・スタッフが所属。ブラジルサッカーをベースにチームづくりをしてきている。
そして、それ以上に、ブラジルらしさを感じさせるのが、サンバを主体としたその応援スタイルだ。
私は、ブラジルではサントスだが、Jリーグでは清水エスパルスを応援している。
そんな清水エスパルスが、ブラジルデーを開催する。
川崎フロンターレ戦が行われる7月17日(土)がブラジルデーとなる。
この日は、清水エスパルスのホーム、日本平のIAIスタジアムでは様々なイベントが行われる。
今イベントのキーフレーズは、“TAMO JUNTO”。
“Estamos Juntos”「共に闘おう!」という意味だ。
まず、来場者全員に、ブラジルデーオリジナルTシャツがプレゼントされる。
キーフレーズ“TAMO JUNTO”のロゴをメインに、バックにはブラジルの国の形がデザインされたなかなか魅力的なオレンジ色のTシャツだ。思わず欲しくなる。
ブラジルの伝統的格闘技「カポエイラ」の体験会や地元 静岡で活動するサンバチームの来場、そしてブラジルグッズの販売なども行われる。
しかし何といっても、今回の一番の目玉は、Turma da Monica とのコラボレーションだろう。
Turma da Monicaは、ブラジルでもっとも人気のあるアニメーションだ。
女の子モニカを中心にその仲間たちとの交流が描かれている。
日本でいうと、「サザエさん」や「ドラえもん」といった感じだろうか。いや、清水エスパルスとの由縁を考えると「ちびまる子ちゃん」といった方がよいかもしれない。
当日の来場者には抽選でTurma da Monicaのぬいぐるみがプレゼントされるほか、モニカと清水エスパルスのコラボ商品の販売も行われる。
清水エスパルスのユニフォームを着たモニカと仲間たち。そんなグッズは、モニカファン、エスパルスファンでなくても欲しいものだろう。
Jリーグ随一の強豪 川崎フロンターレが相手なので厳しい戦いを強いられることが予想されるが、ブラジル人選手を中心に頑張ってほしい。
キックオフは、7月17日(土)18:30。