旅と劇場とスタジアム   ~アーティスティックライフに憧れて~

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【サッカー】アジアカップ グループリーグ第2戦 日本対オマーン 日本は決勝トーナメント進出を決めたものの不完全燃焼な試合だった!

アジアカップ グループリーグの第2戦、日本対オマーンの試合が、日本時間で1月13日(日)22:30からアブダビで行われた。

 

一番の注目は、故障で出場できない絶対的エース、FW大迫に代わってプレーするのは誰か、ということだった。

大方の予想は、武藤だったが、意外にも北川が抜擢された。

 

これには、私自身も相当に驚かされた。

前試合で唯一の交代選手としてプレーした北川は、大きなミスもあり、ほとんど見せ場をつくれないまま試合終了を迎えていた。

これにより、しばらくチャンスは与えられないと思っていたが、練習で相当よいパフォーマンスを見せているのか、森保監督から相当な信頼を得ているのかわからないが、2試合連続で大きなチャンスを与えられた。

 

私が清水エスパルスのファンで北川を応援していることは、先の記事で既に書いたが、そんな私からしても、嬉しいことだが、ここまでチャンスを与え続けられなくてもいいのではないか、と思ったりした。

 

私は北川のことをよく知っているが、一般のサッカーファンは、名前こそ聞いたことはあるだろうが、それほどよくは知らないと思う。多くの人は、そんな選手が、途中交代ならまだしも、なぜ絶対的エース大迫の代役で入るのか理解に苦しむことになるだろう。

 

ただでさえこの試合を注目していたが、北川が先発出場することで、より真剣に見ることになった。

 

先発メンバーで、前試合と異なるのは、北川以外では、冨安が槙野に代わり本職のCBに入ったことと、その冨安の代わりに遠藤航ボランチに入ったことだった。

 

試合は、開始早々から日本が猛攻を仕掛けた。

南野が前試合とは別人のように、積極的に動き、何度も決定的なチャンスを作っていた。しかし、決められない。堂安、原口もかなりボールに絡んで、効果的な動きをしていた。

今大会初出場のボランチ遠藤航も相手の攻撃を悉く防ぎよい働きをしていた。

 

しかし、注目の北川はほとんどボールに触る機会がなかった。

1トップとはいえ、トップ下の南野と並列の2トップ気味でプレーしたりしており、工夫しながらポジショニングしていることはよくわかるのだが、なかなかボールに絡めない。

自分のところにボールを呼ぶのだが、誰もパスを供給してくれないシーンも数多くあった。

 

全く気持ちよくプレーできていないことがよくわかる。

 

北川は、普段クラブチームでは2トップの一角としてプレーしており、相手FWとうまくコンビネーションを取りながら、絶妙なポジショニングで自ら仕掛けたり、相手FWを使ったりしながらゴールに絡む動きをしている。裏へ飛び出す動きも得意としており、中盤からのパスを引き出し、数多くのゴールを決めている。

 

しかし、日本代表では、攻撃陣との距離感というか間合いをうまくつかみ取れていないように見受けられる。

これは、本人だけのせいではなく、周りの選手たちも北川を活かそうという意識が全く感じられない。

真実はどうかわからないが、周りの攻撃陣も自分のことで精一杯で、新参者の北川なんかにゴールを決めさせるか、と思っているようにすら感じられる。

 

昨年11月に、私は日本代表の西野朗前監督とFC今治オーナーの岡田武史氏のトークショーに行ったのだが、その時に西野さんの「自分の力だけに頼るのではなく全体を考えられる選手を使う」という言葉がすごく印象に残った。

 

昔の日本人選手は、シュートではなくパスに逃げるとよく批判されたものだ。

だから、パスに逃げるのではなく積極的にシュートを打つことをよしとする風潮が高まったように思う。

 

しかし、西野さんはそうではなく、状況判断のうえで、自分で打つか味方選手を使うかを考え、最善の選択ができる選手を使う、ということを明言していたのだ。

 

その基準からすると、今の日本代表はどうなのだろうか、と疑問符を投げかけたくなる。

 

北川は、前半はほとんどボールに絡めておらずうまく機能できていなかったので、後半最初からの交代もあるな、と思ったが、後半開始のメンバーチェンジはなかった。

 

後半に入り、何度かボールタッチできていたが、後半12分に武藤と代えられ、ピッチを後にした。

 

無念だっただろう。

しかし、これが現実だ。

厳しいことだろうが、自分で切り開いていくしかない。

それは、ピッチ上でもそうだが、ピッチ上以外でのいろいろな関係づくりなど、方法はいくらでもあると思う。

 

しかし、こんな素晴らしい舞台に立てているのだから、この状況には感謝しないといけないと思う。

この舞台に立てない選手のほうが圧倒的に多いのだから、何としてもこの境遇を活かしてほしい。

 

交代で入った武藤は、日本代表歴も長くW杯にも出場している。そのせいか、北川に比べれば堂々とプレーしていたような気はしたし、ボールタッチも北川よりは多かったと思うが、決定的な働きはできなかった。

 

日本のゴールは、原口のPKによる1点のみ。

内容的にも、前半最初の20分ぐらいはよかったと思うが、それ以降は、特段見せ場らしいものはほとんどなかった。

 

とはいえ、辛勝ながら2連勝でき、決勝トーナメント進出を決めたことはよかったと思う。

 

次のグループステージ最終戦はどのようなメンバーで戦うのか、どのような戦い方をするのか、注目し続けていきたい。