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【サッカー】アジアカップ準々決勝 日本対ベトナム ターンオーバーを使わなかった日本、1点差の勝利で4強へ!

アジアカップが始まって、日本にとって5試合目、決勝トーナメントの2試合目である準々決勝が、1月24日(木)日本時間の22:00に行われた。

早いもので大会20日目になるようだ。

対戦相手は、ベトナム。グループリーグの1、2戦を強豪のイラク、イランと戦い敗戦を喫したが、グループ3位で決勝トーナメント進出を決め、決勝トーナメント初戦をヨルダン相手にPK勝ちし8強まで駒を進めてきた。

直近の昨年行われた東南アジア選手権で優勝しており、急速に力をつけてきている印象だ。

 

さて、この試合、最も注目したのは、日本はどのようなメンバーで戦うのか、ということだ。ベトナムが中3日あるのに対し日本は中2日で戦わなければならない。また、優勝するためには、その先にはまだ2試合戦わなければならないのだ。

そのような状況から、ウズベキスタン戦を戦った、サブ中心のメンバーで行くのかと思っていた。

 

しかし、いざふたを開けてみたら、ほんの3日前のサウジアラビア戦と同じ先発メンバーが発表されていた。

唯一異なるのは、1トップに入った北川だけだ。これは、武藤が出場停止になっているので、やむを得ない人選だろう。

 

この先発メンバーを見て、まったくいいとは思わなかった。

中2日で疲弊している選手たちプラス北川という布陣。

これは、グループリーグ第2戦のオマーン戦と同じだ。

北川は、総サブメンバーで戦った3戦目のウズベキスタン戦では躍動感あるプレーを見せていたが、レギュラーメンバーで戦った第2戦のオマーン戦では正直機能していなかった。

 

このメンバーの中に入ってプレーする北川には気の毒とすら思った。

しかし、指揮官はこのメンバーの中に北川を入れて戦うことを選んだ。

練習で相当によいコンビネーションを見せたとか、何らかの理由はあるのだろう。

 

そんな思いを持ちながら、試合を見始めた。

 

注目は、北川にパスが出るかどうかだ。

 

これは、比較的早い段階で、ボールが回ってきたが、ファーストタッチでボールを失ってしまった。そんな北川のボールロストからピンチを招く。

事なきを得たが、入りはよくない。気持ちよくプレーに入れない。

 

しかし、この日は、レギュラーメンバーの中でもパスを受けることができ、徐々にフィットしていった。

 

この試合、南野はよかった。

主戦場は2列目。

中央でボールをキープし、ゲームメイクをしていた。

 

北川は2トップではなく、1トップのような形でプレーしていた。

 

そんな中、北川から原口へのナイスパスがあり、日本のCKになった。

 

このCK、柴崎が蹴った球を吉田が頭で決めて、日本に待望の先制点が生まれたと思った。

前半24分のことである。

 

しかし、その直後、ではなく数分後、主審はVARでの判定を行うことを宣告した。

 

このVARに至るまでの間については、相当な違和感を覚えた。

特にベトナム側が抗議したわけでもないのだが、少し時間が経過した後にVARを行うことになったのだ。

 

その結果、ゴールを決めたと判定されていた吉田のハンドを取られ、日本のゴールは取り消された。

 

こんな、試合の流れに水を差すVARってどうなのか、と相当否定的な気持ちになった。

 

この日本のゴール取り消しを機に、両チームの攻守の切り替えが激しい、めまぐるしい展開になった。

 

そんな中、ベトナムの怒涛の攻撃が続いた。

ベトナムの選手たちは、小柄だが若く、エネルギーに満ちており、スピード感あふれる波状攻撃を見せていた。

日本は防戦一方で、なんとかゴールを決められずに済んだ、という印象だ。

 

その後、日本も盛り返すが、ゴールを決めることはできず、前半は0-0で終了した。

 

前半の印象は、若いベトナムの勢いに、日本は翻弄されっぱなしという感じだった。

 

この試合、怪我明けの大迫の調整に充てることは間違いなかった。

北川は、間違いなく大迫に代わる。その時間がどれくらいになるのか、それはずっと気になっていた。

 

後半開始時、両チームの選手交代はなかった。

北川にも、チャンスは続いた。

 

後半に入ると、立ち上がりから日本のペースになった。小気味よく細かいパスがつながり、攻撃を仕掛けることができていた。

 

そんな中、いきなり主審はVARの宣告を行った。相当に唐突な感じだ。

 

考えられるのは数分前(3~4分は経っていただろう)にPA内で堂安が倒されたことぐらいだ。

 

その結果、日本にPKが与えられたのだ。

 

まあ、繰り返し再生されていたビデオを見ると、PKの判定でもおかしくない。

しかし、間違いなく、試合の流れに水を差す。相当に違和感を覚えるものだ。

 

このPKを、堂安本人が決め、日本に先制点が入った。前半12分のことだった。

迷うことなく、堂安はボールのところに行った。この度胸はすごいと思う。

これ以上ないというぐらいの緊張を強いられたと思うが、堂安は見事にそれを克服しゴールを決めてくれたのだ。

 

これで、日本は安心感を持ってプレーすることができた。

 

北川にも決定機が訪れた。

原口からのクロスを頭で合わせたがゴールを決めることはできなかった。

 

結局、後半26分に北川は大迫に代わった。

 

怪我明けで第1戦しかプレーできていない大迫だったが、その動きはさすがだった。

この日は20分のプレー時間と決めていたのだろう。

ポジショニングがいいのだと思う。アクセントになるボールの絡み方をし、チャンスを作り続けていた。

安定感が北川とはまるで違う。

これは、北川を応援する身からするととても悔しいことだが、事実なので仕方がない。

 

そのまま1-0で日本は勝つことができた。

 

北川は、後半はかなりボールにも絡み、まずまずの動きだったと思う。

しかし、またもゴールという結果は出せなかった。

 

北川は相当、運を持っていると思う。

今回の日本代表のメンバーの中で代表でのキャップ数は最も少なく、また一般的に最も知名度のない選手だろう。

 

しかし、ここまでのアジアカップでの全5試合で出場している。

これは、北川と冨安しかいない。

 

今回のメンバーでは、北川よりもビッグネームは山ほどいる。そんな選手たちだけではないが、サブの選手たちは試合に出たくてうずうずしているはずだ。

 

結果を出して試合に出ているのならまだしも、同じポジションの選手が怪我や出場停止といった巡り合わせで出場できている形になる。

 

だからこそ、試合でのパフォーマンスについては、満足のいかないところだ。

悪くはないのかもしれない。しかし、決していいとは言えない。

何としても結果を出してほしいと思わずにはいられない。

 

さて、次は中3日で準決勝。対戦相手は、大方の予想通りイランに決まった。

大迫が問題なければ、完全なレギュラーメンバーで行くのだろう。

 

武藤も復帰するし、いよいよ北川の出番はなくなるかもしれない。

 

しかし、ベンチにいても、勝利に貢献できることはあるし、学ぶことはいくらでもあるだろう。

 

日本が勝ち進み、北川にとっても糧のある試合になることを期待したい。