旅と劇場とスタジアム   ~アーティスティックライフに憧れて~

旅、温泉、飲み歩き、音楽、ミュージカル、ラジオそしてサッカー・スポーツ観戦が大好きなサラリーマンによる雑文記。日々の想いをつづっていきます。

【サッカー】ブラジル全国選手権2021が終了。アトレチコ・ミネイロが優勝し、州選手権、コパドブラジルと合わせ3冠を飾る!

世界中のサッカーリーグで春秋制を採用している国は珍しい。

ヨーロッパを中心に秋春制が世界でも中心だが、日本のJリーグ同様、ブラジルは春秋制を採っている。

 

そんなブラジルリーグであるブラジル全国選手権が12月9日(木)の最終節を持って全日程を終了した。

通常、ブラジル全国選手権の最終節は、12月上旬~中旬の日曜日の午後4時キックオフで行われていたが、今シーズンは、木曜日の午後9時半キックオフで行われた。

 

優勝は、アトレチコ・ミネイロミナスジェライス州の州都ベロオリゾンチをホームに構えるチームだ。

12月2日(木)に、2試合を残した時点で既に優勝を決めていた。2位のフラメンゴに勝ち点13差をつけた圧勝だった。

優勝に貢献した最大の功労者は、かつてJリーグでも活躍したフッキだ。19ゴールを挙げ、得点王にも輝いている。

昨シーズンまで5季に渡り、中国スーパーリーグの上海上港で活躍していた。

今季、ブラジルリーグに復帰したばかりでの大活躍ぶりだった。

世界的なプレーヤーとしては、元スペイン代表のジエゴ・コスタもプレーしている。

今年8月に、シーズン途中から加入。スペイン代表だが、生まれはブラジルの北東部セルジッピ州のラガルト。ブラジル国内でデビューすることなくヨーロッパでプロデビュー。今季、初めて母国でのプレーとなった。

アトレチコ・ミネイロとしては、2013年のリベルタドーレス杯優勝以来のビッグタイトルになる。おまけに、今季は、ミナスジェライス州選手権と、先日決勝が行われた国内のカップ戦であるコパドブラジルも制覇しており、3冠を達成している。

2014年のブラジルW杯で地元ブラジルがドイツ相手に1-7という衝撃的な敗北を喫したミネイラォンをホームスタジアムにしているが、同じくミネイラォンをホームにしているライバルチーム、クルゼイロとは対照的だ。

2019年に2部に降格したクルゼイロは、リベルタドーレス杯を2度も制している名門クラブだが、今季も2部で14位と振るわず、来季も2部リーグで戦うことになる。

 

2位フラメンゴ、3位パウメイラスは順当な結果といえるだろう。

この2チームは、南米一を決めるリベルタドーレス杯の決勝で対戦したことも記憶に新しい。

 

4位はフォルタレーザだ。これはかなり意外な感じがする。

フォルタレーザは、北東部セアラ―州の州都フォルタレーザのチームである。

私のブラジル在住時、北東部全域が担当エリアだったこともあり、何度も行っていた街だ。

人口約260万人を抱える大都市である。

しかし、サッカーのレベルは決して高い地域ではなく、フォルタレーザといえば、1部~3部を行き来している印象が強い。

2018年、3部から2部に昇格し、あのサンパウロのレジェンド、ホジェリオ・セニを監督に迎え、2019年にいきなり2部で優勝し1部へ昇格する。

そして、昇格1年目の昨年2020年は降格と同じ勝ち点ながら得失点差で辛くも残留を果たした。しかしながら、今季は4位に入り、リベルタドーレス杯の出場権を得るまでに至ったのだ。

 

さて、下位に目を向けてみよう。20チーム中4チームが降格することになる。

何と名門グレミオが17位で降格が決まってしまった。

ホナウジーニョ・ガウーショが育ちプレーしたことでも知られるグレミオだが、南部ポルトアレグレの名門チームだ。最近では、ほんの4年前、2017年にリベルタドーレス杯を制しクラブW杯に出場している。

 

他の降格チームは、18位バイーア、19位スポルチ、20位シャペコエンセの3チームだ。

バイーアサルヴァドール、スポルチはヘシフェのチーム。いずれも、ブラジル北東部の人気チームだ。北東部に住んでいた身としては、残念な思いが強い。

そして、シャペコエンセは、2016年11月に飛行機事故に遭遇し主力選手の多くを失ったチームである。翌2017年8月にはスルガ銀行カップ浦和レッズと対戦するために来日したこともあるが、残念ながら来季は2部で戦うこととなる。

 

一方、2部からの昇格チームも決まった。

2部の上位4チームが自動的に1部へ昇格する。

昨季本田圭佑が加入し日本でも注目を浴びたボタフォゴが優勝し真っ先に昇格を決め、2位から4位のゴイアスコリチーバ、アヴァイーが来季1部で戦うこととなる。

昨年1部から2部へ降格した4チームの内、ボタフォゴゴイアスコリチーバは、今季2部でトップ3に入り、1年で1部への返り咲きを果たした。

しかしながら、昨季降格した4チームの中でもっとも力があると目されていた、リオの4大チームであるヴァスコダガマは10位と低迷し、来季も2部で戦うことになってしまった。同じくリオの4大チームのボタフォゴとは対照的な結果になってしまった。

 

リーグ戦であるブラジル全国選手権を終え、コパドブラジルの決勝も終えたブラジルサッカー界は短い休みに入っている。

来季の始動は、1月下旬より各地で始まる各州選手権となる。

 

【サッカー】ウルヴァ―ハンプトン・ワンダラーズ

 
トットナムの試合が終わったのが夜中の12時。すぐに寝ようかと思っていたのだが、長男がその後12:30からのマンチェスター・ユナイテッドウルヴァーハンプトン(以下ウルヴス)の試合を見ると言うので私もつい見入ってしまった。
ウルヴスは、前節トットナム相手に素晴らしい攻撃を見せていたが運がなく負けていた。さすがに天下のマンUは格が違うだろうと思っていたが、そんなことはなかった。
ウルヴスは、前節同様素晴らしい攻撃を見せていた。どっちがマンUかわからない。あの強豪マンU相手に一歩も引かず、完全にゲームを支配していた。
前節同様に、まるでボディビルダーのようなガタイのトラオレの破壊力は半端なかった。
一方的に攻めるがゴールだけが決まらない。
後半の終盤までその展開が続いたが、マンUがワンチャンスをものにしてゴールを奪ってしまったのだ。そのまま0−1で負けてしまい、驚くことに3連敗。いまだ勝ち点ゼロで最下位グループ。
監督はたまったもんじゃないだろう。選手もファンもかわいそうで仕方がない。
これだけいいサッカーをしているのに結果が出ない。運のなさも含めて、一時期のエスパルスと重なってしまう。
今たまたま結果が出ていないだけで、相当にいいサッカーをしているので、長い目で見ればレスターじゃないが優勝争いしても不思議じゃないと思う。
これだけいいサッカーをしているので、まさか監督更迭はないと思うが、どうなのだろうか?
ブラジルだと簡単にクビを切るからな。
ウルヴスは超注目チームだ。
次節以降も見逃せない。

【サッカー】トットナム・ホットスパー

サッカー2試合目はトットナムだ。
この夏、ユーロ(ヨーロッパ選手権)にはまり、久々にヨーロッパサッカーを本格的に見ようと思った。
すべてのリーグを見るのは時間的に厳しい。
まずは一つのリーグに絞って見ようと思った。
スペインは、一時代を築いたバルサがメッシも退団していまい、凋落する一方だろう。アトレチコはおもしろそうだが、レアルも前ほどの迫力はない。
私の大好きなネイマールのいるフランスリーグは、メッシまで入りパリ・サンジェルマンの独壇場。
ドイツもバイエルンの一強。
イタリアだと、サントスでネイマールと同時期に一時代を築き上げたダニーロとアレックス・サンドロが、第一線でいまだユベントスでプレーしており応援はしているが、イタリアのチーム全般についてはそれほど魅力を感じない。
そうなると答えは一つしかない。イングランドプレミアリーグだ。
同じくユーロにはまった長男は、ロンドンに魅力を感じているようで、ロンドンのチームの中からトットナムを選び、今季からトットナムを応援すると言っていた。
これは好都合だと思い、私もトットナムを応援しながらプレミアリーグを見ることに決めたのだ。
これはちょうど、2005年にブラジルに行き、サンチスタになった時の感覚に似ている。
あの時も住む街(サンパウロ)の4大チームの中から選ぶことにしたが、迷うことなくサントスを選んだ。
サンチスタとしてブラジルで生活し、ブラジルでサッカーを見ることは、これ以上ないぐらい楽しかった。
応援するチームがあるということだけで、サッカーとの関わりが何十倍にも楽しめるようになる。
ロンドンにはそれこそいくつものサッカーチームがある。チェルシーアーセナルトットナムといったプレミアのビッグ6と言われるチームから、その下のウエストハムやフラムなど数え上げたらきりがないほど。サンパウロに状況は似ている。
チェルシーはお金持ちのエリアにあるということで、ちょっとパス。日本人に人気が高いアーセナルベンゲルが好きではないといった理由から昔から好きではなかった。
私は2度ロンドンに行ったことがある。
最初は学生時代の1992年にバックパックで、その後はブラジル在住時の2010年に家族旅行で行っている。
2010年には、ぜひプレミアの試合を見ようと、トットナムのホームスタジアム、ホワイト・ハート・レーンまで行ったのだ。残念ながらチケットは完売で見られなかったが、オフィシャルショップに入りトットナムのグッズをいくつか買ってきている。
白を基調としたユニフォーム、そして住宅街の中にある小ぢんまりとしたホームスタジアム(今は違うのだが)は私の大好きなサントスを彷彿させる。
ということで、最初から決まっていたのだ。応援するならトットナムしかない。
ということで、今シーズンから、長男と一緒にトットナムの試合を見始めたのだ。
この日の試合は、日本時間の夜10時から。第3節になる。
第3節ということで、既に2試合見ているのだが、トットナム、あまり強いとは言えない。
しかし、エスパルスと違い運だけは持っているようで、2連勝している。
初戦の対戦相手は、絶対的王者マンチェスター・シティ。この試合はおもしろかった。
シティが圧倒的にボールを支配するが固い守備で守る。この守備体系はおもしろく4−3−3できれいなラインを張りピッチの真ん中だけを固めて守るのだ。サイドは自由に攻めさせる。しかし中央を鉄壁な守備で守る。
左サイドを駆け上がるあのスターリングやグリーリッシュを、タンガンガというガタイのいいサイドバックが悉く攻撃の芽を潰していた。
そんな劣勢の中、韓国の英雄、ソン・フンミンが技ありのゴールを決め、辛くも1−0で勝利。痺れるような試合だった。
続く第2節はウルヴァーハンプトン戦。
普通に考えればトットナムの方が格上だと思うが、まったく逆だった。
トットナムは終始劣勢。
前半早い段階でPKをもらいゴールを奪ったがそれだけ。
まるでエスパルスの試合を見てるよう。
エスパルスと違うのは、きちんと守り切るところだ。1−0で勝ち開幕2連勝。
この試合ではトットナムは運がよく、ウルヴァーハンプトンは運がないとしかいいようがなかった。
そしてこの日の試合になる。
ホームでのワトフォード戦。
格下相手でも基本カウンターサッカーだ。
去就が注目されたケーンが3試合目にして初先発。そのせいで、私が応援している唯一のブラジル人選手、ルーカス・モウラはベンチスタートとなってしまったが仕方がない。
一般的に見ればこの試合も前節同様格下相手になるのだろう。
前節ほどの劣勢ではなかったが、ほぼ互角の勝負だったと思う。
ソン・フンミンがFKから絶妙なボールを蹴り、それがそのままゴールに入る。そんな虎の子の1点を守り切り、全て1−0で3連勝。何と単独首位になったのだ。
3試合とも長男と一緒に見たが、気分がいい。
自分の応援しているチームが勝ち、首位に立つなんてことがあっただろうか?
サントスのサンパウロ州選手権以来じゃないか?
エスパルスに至っては、20年前ぐらいに遡らなければならない。
まあトットナムは全く強くなく選手層も薄いので、こんな喜びは今だけだろうが、楽しくて仕方がない。
やはりサッカーファンはやめられない。

【サッカー】清水エスパルス

感動のクラシックコンサートの後、この日は夕方からサッカーの試合を2つ見た。いや正確には3つになってしまった。
 
まずは、午後6時からのエスパルス戦。相手は、名古屋グランパス。常に5位ぐらいをキープしており、エスパルスにとってみれば完全なる格上だ。
エスパルスの試合は、見れる限りすべて見ている。
毎年、残留争いしているので慣れてはいるが、今季はシーズン前にいまだかつてないほどの補強をしたので、かなりの期待感を持ってシーズンを迎えた。
しかしふたを開けてみれば、ここ数年とまったく変わっていない。
特に、この前節の鹿島アントラーズとの試合を見て、あまりのひどさぶりに、今季降格することを確信した。ボールをまったくキープできない。パスはミスばかり。プロの試合でこんな光景を見るのは本当に珍しい。新監督・新戦力が中心になっているので徐々にフィットしてくるのならわかるが、不思議なことにだんだんと悪くなっていっている。もう絶望しかないのだが、逆にあまりの弱さを目の当たりにして、諦めがつき、すっきりとした気分になったぐらいだった。
そう思った直後の試合だったので、まったく期待もしておらず、見るのもやめようかとも思ったぐらいだった。しかし、期待はしないのだが見てしまうもので、結局いつもと同じように長男と一緒に見てしまった。
この日のエスパルスは悪くなかった。
とにかく先制点を取られるとダメだ、と思いながら見ていた。
自信のなさに裏付けされているように、相手に先制されると、それだけでガタガタになる。
前半を終え0−0。悪くない。
しかし後半12分に前田直輝に決められてしまった。
もうダメだ。これで相当にテンションが下がった。
見るのやめようかとも思ったが、見てしまうものだ。
もうノーチャンスだと絶望の思いの真っ只中、エスパルスにゴールが決まったのだ。
これには大声を出して喜んだ。
新加入の藤本のクロスをチアゴサンタナがうまく合わせて決めてくれたのだ。藤本は初先発で大仕事をやってのけてくれた。
こんなこともあるんだなぁ、と久々にエスパルスのサッカーを見て興奮した。
その後一進一退の戦いは続く。
相手にとっては、間違えなく楽勝と思って来ただろう。
終了間際にゴールを決められるのがエスパルス。これ以上ないぐらい相手チームを喜ばすのがエスパルス
たまには、反対にこちらを喜ばせることがあってもいいだろうと思うのだが、そんなこともなく、そのまま1−1で引き分けた。
しかし、間違いなく惨敗すると思っていただけに、勝てなかったことは残念だが、それ以上に勝ち点1取れたことは、とても嬉しく感じた。
内容も前節の降格を確信した試合とは違い、悪くなかった。
サッカーは3分の1ぐらいが運だと思っている。
だからどんなにいいサッカーをしていても勝てるとは限らない。
しかしエスパルスは弱い上にいつも運にすら見放されている。
サッカーは所詮娯楽だ。熱くなりすぎないほうがいいのだろう。それはよくわかっている。
しかし、こういう小さいこと、単に勝ち点を一つ拾えただけでも喜べるのだ。
引き分けたぐらいで喜んでいるのだから、ちゃんちゃらおかしい話ではあるのだが、熱狂できることは楽しいに決まっている。
サッカー狂はやめられない。

【音楽】拍手喝采!セバスチャン・ヴァイグレの「運命」に心から感動した

先日、クラシック音楽のコンサートに行ってきた。
クラシック音楽のコンサートで、サッカー観戦並みの興奮が味わえることを身を持って体感した。
クラシック音楽は結構好きで、落ち着きたいときによく聴いている。
今回は、たまたま妻の会社の福利厚生サービスで安く手に入るということでチケットを手に入れていた。
ベートーヴェンが好きで、特に5番と7番は大好きだ。
コンサートで聴きたいのはやはりオーケストラ。
今回は、その5番だった。
オーケストラは読響で、指揮者はセバスチャン・ヴァイグレというドイツ人。ホールは、池袋の東京芸術劇場
素晴らしかった。
ベートーヴェンの5番(運命)は、コンサートホールでそれこそ十数回は聴いているだろう。
前回は、2年半ほど前だっただろうか、同じ東京芸術劇場で、コバケンの指揮で聴いた。
このときも素晴らしく、新たな発見がいくつもあった。
まずは何といってもコバケンの指揮だ。第4楽章のクライマックスで、コバケンが客席の方を向いて叫んだのだ。これには感動させられた。
そして、金管楽器の音が私の座っている座席の後方から聴こえてきたのだ。この感覚は何とも言えない。特に第2楽章だか第3楽章で、金管楽器が目立つパートがある。目をつむりながら不思議な感覚を何度も味わったことを思い出す。
今回は、2階席だったせいか、後ろから音は聴こえなかったが、それ以上の興奮を味わった。
特に、第3楽章は低音の弦楽器のパートが多く、聴きごたえ満載。
第3楽章から第4楽章へ移るときがとても好きだが、第4楽章が進むにつれて、体が震えてきた。全員劇のレミゼじゃないけれど、全員演奏なのだ。それも全パートがこれ以上ないぐらいの緊張感を持って極限の演奏をしている。
一瞬たりとも目が離せない。指揮者ヴァイグレを中心に全パートの全演奏者の一挙手一投足に私の全神経が集中させられた。
スポーツと違って筋書きはある。
しかし、ライヴだ。その出来栄えはやってみなければわからない。
クラシック音楽を聴いて、サッカーと同じ興奮を味わった。
これはすごい発見だった。
演奏が終わり、会場に響き渡る拍手は物凄いものだった。
アンコールの演奏はなかったが、指揮者ヴァイグレは何度も何度も出てきてくれた。
終演のアナウンスが入り、客席に明かりが灯った後も拍手は鳴り止まなかった。
そんな中、指揮者ヴァイグレは出てきて、何度も何度も感謝の意を表していた。
私だけが感じたのではないのだろう。
多くの観客も同じように、大きな感動を受けたのだろう。
正直、私はクラシック音楽の演奏の上手い下手はまったくわからない。
しかし、感動する演奏とそうでない演奏があることは間違いないだろう。
指揮者の力も大きな影響を与えるものだと思った。
指揮者は、スポーツでいえば監督だろう。
今回のヴァイグレは、全身を使い大きなアクションが特徴。オーケストラ全体に対する指揮と同時に個人やパートに対しても合図を送っていた。
また、身のこなし方が、まるでダンスを踊るようだった。
サッカー最強説を唱えていたが、クラシックコンサートがそれにも劣らない感動を味わわせることを知り、自分自身とても驚いている。
これからは、どんどんクラシックコンサートに行こうと思う。
オーケストラと指揮者とホール、そして観客。それらがどのように融合するか、それが感動の演奏を生み出しているのだと思う。
楽しみが一つ増えた感じだ。

【サッカー】東京五輪 男子サッカー決勝、ブラジルがスペインを倒し2連覇を飾る

東京オリンピックが8月8日(日)に閉幕した。コロナ禍という緊急事態の状況下で行われた大会だったが、何とか大きなトラブルもなく全日程を終了した。

サッカー男子決勝は、閉会式の前日、8月7日(土)20:30から横浜国際競技場で行われた。

 

ブラジル対スペインという、サッカーファンにとってはとても楽しみな、南米とヨーロッパの強豪同士の対戦カードとなった。

そんな期待に応えた、見応えのある素晴らしい試合になった。

 

しかし、そんなサッカーファンにとって注目度の高い試合だったが、なんと、日本ではテレビの生中継はされなかった。

 

オリンピックが、ワールドカップなどほかの大きな大会と決定的に違うことは、テレビ放送がほとんど日本戦しか行われないことだ。

サッカーの大会でいえばワールドカップをはじめ、ユーロ(ヨーロッパ選手権)やコパアメリカ南米選手権)のような大陸ごとの大会に関しても、グループリーグを含めた全試合を生中継しているのとは、大きく異なる。

 

決勝トーナメントに入っても、日本戦以外は放映されず、ネット配信で見るしかなかった。

もしかしたら、オリンピックとは、もっとも自国民であることを意識するものかもしれない。それほどに、オリンピック期間中、日本では日本選手、日本チームの応援一色になっていた。

 

しかし、さすがに人気スポーツである男子サッカーの決勝戦は生放送すると思っていた。

テレビの番組表を見て安心した。NHK-BSで生中継することになっていたからだ。

しかし、その時間にテレビをつけてみると、空手をやっており、テレビに内蔵されている番組表を確認すると、いつの間にかサッカー決勝の文字は消えており、空手に変わっていた。「こんなことってあるんだな」と驚きと同時に失望したが、仕方ないのでネット配信で見ることにした。

 

そんな決勝戦だが、フル代表の主力6名を連ねたスペインに対し、ブラジルは互角以上に戦えていた。

ポゼッションサッカーのスペインに対し当然ポゼッションでは劣るが、それほどポゼッションされていないという印象だった。それよりも、ブラジルは効果的にボールを奪い、うまく攻撃を組み立て、スペイン以上にチャンスを作っていた。

 

そんな中、前半37分、ブラジルにPKのチャンスが訪れた。

キッカーは当然、エースのヒシャーリソン(エバートン)だ。

しかし、ヒシャーリソンはこれを外してしまう。

 

ブラジルは絶好のチャンスを逃してしまった。

グループリーグではゴールを量産していたヒシャーリソンだったが、決勝トーナメントではきついマークもあり、結果を出せていない。ぜひともここで決めて、リズムに乗りたかったことだろう。

 

そんなPKの失敗もあり、その後少しスペインの時間帯が続いた。スペインに流れが傾くかと思われたが、ブラジルはしっかりと守った。

 

そんな中、前半終了間際に、ブラジルにゴールが決まったのだ。

前半アディショナルタイム、左サイドのクラウジーニョ(レッドブルブラガンチーノ)からのクロスをゴールラインぎりぎりでダニエウ・アウヴェスサンパウロ)が折り返し、マテウス・クーニャ(ヘルタ・ベルリン)がゴールを決めたのだ。

マテウス・クーニャは準々決勝のエジプト戦に続き、貴重なゴールを決めてくれた。また、キャプテンのダニエウ・アウヴェスは、ここで大仕事をやってのけてくれた。

待望の先制点をブラジルは最高の時間帯に取ることができた。

前半は、ブラジルが1-0でリードして折り返した。

 

前半の終盤に、ふとテレビをつけてみたら、いつの間にかNHK-BSでサッカーの決勝戦を放送していた。それならテレビで見ようかと思ったが、よく見たら表示されている時間がだいぶ違っている。何と、15分ほど遅れて放送されているのだ。

いくらテレビ中継とはいえ、スポーツ観戦はリアルタイムで見ないと意味がない。なんでこんなことが起きているのかと思ったが、それはNHKの判断なので仕方がない。

NHK-BSは結局最後まで、リアルタイムでの放送にはならなかった。

15分遅れで見ても仕方ないので、ネット配信で見続けることにした。

 

後半に入り、61分(後半16分)にオヤルサバル(レアルソシエダ)の目の覚めるようなボレーシュートが決まり、1-1の同点になった。

 

その後は一進一退。ほぼ互角だったが、ブラジルのほうがやや優勢に感じられた。

90分間では勝負がつかず、延長戦に入った。

 

そして、108分(延長後半3分)にドラマは待っていた。

スペインのコーナーキックのこぼれ球をブラジルの11番、アントニーアヤックス)が拾い、迷うことなく左前方に絶妙のロングパスを出した。それを、途中出場のマウコン(ゼニト)がうまく受け、ゴールを決めたのだ。

待望のゴールが決まり、ブラジルの選手、関係者はこれ以上ないぐらいの喜びを爆発していた。

残り10分少々あったが、ブラジルは守り一辺倒にはならずチャンスとみたらシュートを狙っていた。

そのまま試合は終わり、ブラジルが2-1で勝ち、前回のリオデジャネイロ大会に続き連覇を決めた。

 

それにしても、素晴らしい試合だった。まさに、オリンピックの決勝にふさわしい試合だった。

 

会場となった横浜国際競技場は、2002年にワールドカップのタイトルを取ったところだ。

実に19年の時を経て、ブラジルは同じ場所で歓喜を味わうことができたのだ。

 

今大会のブラジルの戦いについて、グループリーグは見ることができず、決勝トーナメントの3試合を見た。

その3試合の中で、間違いなくこの決勝戦が一番よかったと思う。

 

フル代表に選ばれている選手は少ないが、いい選手が多いと思った。

決勝ゴールを決めたマウコン、左サイドで数多くのチャンスをつくり出したアラーナ(アトレチコミネイロ)などもいいと思ったが、圧倒的に印象に残ったのは、11番をつけたアントニーアヤックス)だ。

右サイドを主戦場にするウイング。ドリブル突破、パス交換と小気味いいリズムでプレーする。ブラジルらしさをとても感じさせるプレースタイルだ。右サイドからのチャンスは必ずといっていいほど、このアントニーが絡んでいた。ヒシャーリソンも同様だが、金色に染めた短い髪はとても似合っていたし目立っていた。最後の最後に、決勝点をアシストする大仕事をやってのけてくれた。

ブラジルの名門、サンパウロから昨年、オランダのアヤックスへ移籍し、初年度から出場回数を多く活躍している。21歳とまだ若く、これからがとても楽しみな選手だ。

 

この試合を見て、これからのブラジルはとても楽しみだと思った。

ほとんどフル代表といってもよい本気のスペイン相手に互角以上の戦いが出来、勝ち切り、優勝することができた。この試合は、大きな試金石となったことだろう。

コパアメリカでは宿敵アルゼンチンに敗れ惜しくも準優勝に終わったが、総合力で見ると決して負けてはいない。むしろ上だろう。

 

ワールドカップはもう来年だ。次のワールドカップ カタール大会は、来年11月から12月にかけて行われる予定である。

 

ワールドカップでは、ヨーロッパの強豪相手にも十分戦えるのではないだろうか。

そんなことを感じさせてくれた、素晴らしいオリンピックの決勝戦だった。

 

 

7月17日(土)は清水エスパルスのブラジルデー

もっともブラジルを感じさせるJリーグのチーム、清水エスパルス

クラブ創設以来、初代監督にブラジルの名将、エメエルソン・レオンを招聘するなど、多くのブラジル人選手・スタッフが所属。ブラジルサッカーをベースにチームづくりをしてきている。

そして、それ以上に、ブラジルらしさを感じさせるのが、サンバを主体としたその応援スタイルだ。

 

私は、ブラジルではサントスだが、Jリーグでは清水エスパルスを応援している。

そんな清水エスパルスが、ブラジルデーを開催する。

 

川崎フロンターレ戦が行われる7月17日(土)がブラジルデーとなる。

 

この日は、清水エスパルスのホーム、日本平IAIスタジアムでは様々なイベントが行われる。

 

今イベントのキーフレーズは、“TAMO JUNTO”。

“Estamos Juntos”「共に闘おう!」という意味だ。

 

まず、来場者全員に、ブラジルデーオリジナルTシャツがプレゼントされる。

 

キーフレーズ“TAMO JUNTO”のロゴをメインに、バックにはブラジルの国の形がデザインされたなかなか魅力的なオレンジ色のTシャツだ。思わず欲しくなる。

 

ブラジルの伝統的格闘技「カポエイラ」の体験会や地元 静岡で活動するサンバチームの来場、そしてブラジルグッズの販売なども行われる。

 

しかし何といっても、今回の一番の目玉は、Turma da Monica とのコラボレーションだろう。

Turma da Monicaは、ブラジルでもっとも人気のあるアニメーションだ。

女の子モニカを中心にその仲間たちとの交流が描かれている。

日本でいうと、「サザエさん」や「ドラえもん」といった感じだろうか。いや、清水エスパルスとの由縁を考えると「ちびまる子ちゃん」といった方がよいかもしれない。

 

当日の来場者には抽選でTurma da Monicaのぬいぐるみがプレゼントされるほか、モニカと清水エスパルスのコラボ商品の販売も行われる。

清水エスパルスのユニフォームを着たモニカと仲間たち。そんなグッズは、モニカファン、エスパルスファンでなくても欲しいものだろう。

 

Jリーグ随一の強豪 川崎フロンターレが相手なので厳しい戦いを強いられることが予想されるが、ブラジル人選手を中心に頑張ってほしい。

 

キックオフは、7月17日(土)18:30。

興味のある人は、ぜひ日本平IAIスタジアム静岡市清水区)へ。