2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
沢木耕太郎の作品をひたすら読み続けている。 スポーツノンフィクションの傑作「王の闇」を読み終え、当初、次は「テロルの決算」、「危機の宰相」と読み続けようと思っていた。 しかし、「王の闇」の最後に収められた短編「王であれ、道化であれ」を読み終…
何気ない写真とそれに対する背景とその時の思い。 この作品は、沢木氏自身が旅先で撮った写真とそれにまつわる文章が見開き2ページで綴られている。 写真と文章の融合。 意外とこのような作品はないような気がする。 病院の待合室などにあるとピッタリだと思…
沢木耕太郎の「深夜特急」は、私にとって特別な作品だ。 そんな「深夜特急」を学生時代に読み、そして今年のゴールデンウイークにおよそ四半世紀ぶりに読み返した。 「深夜特急」を初読し、そして私自身もバックパックで旅をしていた若い頃を思い出した。懐…
夢の雑誌「Number」最新号 5篇のスポーツノンフィクションから成る。 この「王の闇」は、それほど知名度は高くないと思うが、前作「敗れざる者たち」に勝るとも劣らない作品だ。 今、ここに、「敗れざる者たち」を前作と書いた。 「敗れざる者たち」は1976…
作者の最初の作品「防人のブルース」を含む6篇のルポルタージュ集。 沢木耕太郎の原点を知るためには必読の書だと思った。 今まで読んでなかったのが不思議に思うぐらい。初読。読めてよかった。 作品としては、「人の砂漠」に似ている。 構成されている6編…
6篇のスポーツノンフィクションから成る。 作者20代、50年近く前の作品。1976年に発表されている。 結果が決まっているノンフィクションだったが、小説を読むように熱くなってページをめくっていった。 6篇の概要は以下の通り。 ( )内は競技名と扱われた人…
1977年に刊行された初期の作品。 地方紙に少しだけ載るような何気ない事件や無名の人などを題材にした8編のルポルタージュから成る作品である。 題材の選び方に、目の付け所の違いさが際立つ。 あるときは、その境遇に自らの身をさらし、体験する。 構成され…
沢木耕太郎の代表作として、この作品を挙げる人も多いだろう。 この作品「凍」は、2005年に刊行され、2006年に講談社ノンフィクション賞を受賞している。 「凍」というタイトルが印象的だ。 この作品は、世界的登山家である山野井泰史・妙子夫妻が、2002年秋…
沢木耕太郎が、「深夜特急」の旅を行うに当たって影響を受けたものが3つあるという。 小田実の「何でも見てやろう」、東南アジアを精力的に歩いていた竹中労のレポート、そしてポルトガルの海辺の町に1年半も住んでいたという檀一雄のエッセイや談話だそう…
東京のFMラジオ局J Waveでは、毎年12月24日クリスマスイヴの深夜0時から、沢木耕太郎による生放送の番組が放送される。 しかし、それ以外に、沢木耕太郎の生放送の番組がJ Waveで放送された。 今年4月29日、昭和の日のことである。 テーマは、「セッションズ…
「一号線を北上せよ」に続き、本棚から取り出して再読した。 この作品は、2002年3月に発売されている。発売直後に購入していたので18年ぶりの再読となる。 私は最初に読んだときから数年後に、仕事の関係でブラジルに滞在していたが、この本の存在を忘れてい…
沢木耕太郎の「深夜特急」は特別な作品である。 「一番好きな本は何か?」と尋ねられたら、間違えなく沢木耕太郎の「深夜特急」と答える。 「一号線を北上せよ」が発売されたのは2003年2月だが、その直後に購入し読んだ。 今回は17年ぶりの再読ということに…
凄い本だった。 購入したのは発売数か月後、1年半ほど前。2019年の2月。数十頁読んでそのままになっていた。 この本は、「銀河を渡る 全エッセイ」という作品と2冊セットのような形で、2018年11月に新潮社から発売されている。 「銀河を渡る 全エッセイ」が…
ここ数か月、沢木耕太郎の作品を読み続けている。 沢木耕太郎といえば、最近は小説も書いているが、やはり肩書はノンフィクションライターと言えるだろう。 ノンフィクションといってもいろいろある。 作者自身による紀行文、取材を元に人物等を徹底的に洞察…